【終了】かんじゅく座『旅はまだ終わらない・・・』

第16回公演情報
『旅はまだ終わらない・・・』
~ステージ4から這い上がったある男の物語~

今回は、座付き作家にあたる私の書いたプロットに、座員たち全員で、ああでもない、こうでもないと経験に即したエピソードをいれながら、物語を紡いでゆきました。発端は、ある座員の癌闘病談でした。
「最高の治療により、いま自分がここにいる。キャンサーギフト。癌から寛解したいま、朝目覚めるたびに幸せを感じる・・・・」そんな心からの幸せを表現した言葉を聞いた時、私の心をよぎったのは、お金がなくて歯の治療もできずにいた元座員のことでした。
都心に生きていると、貧富の格差をいやおうなしに感じます。悩みの9割はお金が解決するという事実に、幸不幸はあからさまに経済力の物差しの上にあるようにみえます。が、本当にそうなのでしょうか。
この芝居は、人生の勝ち組を誇る老年の男性が、過去をめぐる旅に出て自分の失敗と向き合う物語です。稽古場の中でいちばん若い私が(といってももう50歳になりましたが)、そんな物語を作りたくなったものの、座員たちから見れば人生のアマちゃんです。舞台の上に立つ彼らが納得できる作品にするために、みんなの経験談をできるだけ盛り込むように作ってゆきました。いかに残りの人生を生きるか・・・・?この難題に全員が挑みます。
と、いったものの・・・・・そんなこと言ったって、心身の体力はおぼつかず、腰痛!老眼!難聴!物忘れ!と稽古場は綱渡り状態です。これまでのように「台本を渡し、それを必死に覚えて・・・・」という演劇の作り方に限界を感じていたこともあり、全部即興で作り上げることにしました。台本から顔をあげ、相手役と対面する。これで初めて「対話」が成り立つということを、立ち稽古が始まったその日から実感しています。
物語の中には、私がここ数年とても気になっている「パン屋」のネタを盛り込みました。発酵から生まれる食品「パン」。そこに潜む壮大な自然界のサイクルを、人生に重ね合わせたいと思いました。75歳の男のパン屋修業を、どうぞいっしょに見守ってください。  演出:鯨エマ

日時 5月25日(木)~5月28日(日)まで
劇場 中野ザ・ポケット
チケット 2,200円
4月22日(土)午前10時から発売予定

配信は6月15日より1か月
配信チケット 1,500円

2チームのダブルキャスト公演になります。
レーズン酵母チーム 25日14時/27日17時半/28日12時
ビール酵母チーム 26日14時/27日13時/28日16時
(パンの発酵にちなんだチーム名になっています)

【バリアフリーサービス】※要事前予約
視覚障がい者向けの音声ガイド
5月28日(日)12:00(レーズン酵母チーム)

聴覚障がい者向けの字幕タブレットサービス
5月28日(日)16:00(ビール酵母チーム)
※字幕は一部要約になります。

【チケット予約】

こりっち舞台芸術
https://stage.corich.jp/stage/251225

【公演に関する問い合わせ】
https://s-engeki.net/contact
080-4850-5351(平日10:00-19:00)